再度チャンスを迎えるドーハ・ラウンド (2)
さらに、WTOは決定における力強い主導力を欠いている。協議による一致というその交渉メカニズムでは、複雑に入り組んだ現在の利益均衡の要請に対応できない。また、その役割は問題の解決を呼びかけるだけであることがしばしばで、効果は極めて限られている。
WTOの新事務局長が今年後半に就任する。新事務局長にとってドーハ・ラウンドの再開と多角的貿易体制の改革が要の挑戦となることは必至だ。すでに今年初めの世界経済フォーラムでWTOの閣僚会合は年末に交渉を再開し、貿易の円滑化、一部の農業および開発の議題で合意することに強い政治的意欲を示した。
現状を見ると交渉過程は依然多くの困難を抱えるが、結果は期待に値する。好材料として、世界の経済情勢が徐々に好転していることが重要な契機となることが挙げられる。また、近年いくつかの大規模な地域貿易協定交渉が活発化していることも、多角的貿易交渉の再開と発展を逆に促し、地域協定から排除された国々を刺激して、多角的方法を通じて世界的問題を解決すると同時に重要な地域協定によって片隅に追いやられることを回避するよう促すだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年5月7日