円安の歩みはペースダウンするか? (3)
注意すべき点は、価格体系が変わらない前提の下、円安がもたらした利益が日本の輸出企業の株式に投資する者に巨大な利益を与えているという点だ。ある統計データによると、アベノミクスが実施されてから、日経平均株価は年初に比べて40%上昇した。だが円安でも日本の大企業の手元にある現金が国内に回ることはなく、日本経済は引き続き低迷状態にある。大企業は海外での利益を自国に還流させたいと強く思ってはいないのだ。また日本の平均的な労働者の賃金は、円安の大波の中でそれほど増加していない。日本の輸出企業も国内で生産能力を拡大したり、生産量を増やしたりはしていない。
以上のことをまとめると、日本企業は国内で投資を増やそうという熱意をもっていない。アベノミクスの最終的な成果は、豊かな水をよその田んぼに流し込むということに尽きる。みずほ銀行のデータからもわかるように、日本企業にとって今年度の第2四半期にあたる5月以降、わずか2週間でさまざまな国境を越えた日本資金が総額5140億円という天文学的な数字の外国の債券を購入した。これはつまり、日本人は嘘をつくことなく、円安を利用してグローバル経済を発展させながら、同時にグローバル価格体系にダメージを与えなかったということだ。このような自国での投資チャンスを犠牲にして経済が低迷する他国を救うという大盤振る舞いは長くは続かない。自国経済が実質的な改善を遂げるのをみる前に、日本銀行(中央銀行)の「通貨大量発行」という大芝居は終わりを告げることが確実だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年5月15日