高級ブランドの受託生産、バッグ一つの利益は5元のみ (2)
業界関係者は、「このような暗黙のルールにより、製品はたいへん名誉ある原産国の表記を獲得できる。またこのような半製品は、最終的な加工を完了しておらず、コストを計算できないため、本国に戻す際の関税は完成品を大きく下回る。また一般的に、高級ブランドに選択される受託生産企業の生産技術はいずれも同水準で、一般的な消費者にとっては識別が困難だ」と話した。
某工場の王文良総経理は、「高級ブランドのメーカーにとって、製品の加工を他国に依頼することでコストを大幅に引き下げられるが、品質管理が徹底しないというリスクが存在する。ひとたび品質問題が生じれば、ブランド全体のイメージが損なわれ、ブランドの価値が下がる。そのため受託生産企業の選択には厳しい基準が設けられており、規模よりも加工技術が重視され、また固定的な提携関係を維持したがる傾向がある」と指摘した。
張氏は、「常に高級ブランドの言いなりになっている。分かりやすく言えば、高級ブランドは受託生産企業に食料を与える人物であり、彼らからの注文があってこそ仕事を確保でき、企業の経営が維持できる。高級ブランドの支配から逃れたいが、当社のような大規模な企業の場合、従業員のリストラと次の就職先が大きな問題になる。受託生産を始めたら本当に止められなくなる」と述べた。
一部からは、「高級ブランドの受託生産企業は経営活動において自主性をもてない。部品のサプライヤーまで指定されているにも関わらず、部品の供給が遅れて期日通りに納品できなくなった場合は、生産企業にすべての責任が押し付けられる。高級ブランドは生産を委託する製品の分だけ部品を提供するが、そのうち一つでも紛失した場合、受託生産企業は現地の公安機関に届け出なければ、部品の補給を受けられない」などの声も上がっている。張氏はこのような不満の声について、「これは高級ブランドが中国の受託生産企業を信頼しておらず、生産企業が部品を利用してレベルの高い偽造品を作ることを警戒しているためだ」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年5月17日