人民元レート 年内に1ドル=6元を割り込む可能性は? (2)
孫氏は、「しかし為替相場の動向は、金融市場の影響も受ける。米国は量的緩和策の終了を遅らせており、来年下半期にずれ込む可能性がある。これは米連邦準備制度理事会の未来の議長が、量的緩和策を支持するためだ。また米国経済の成長率は予想を下回っており、失業率が依然として高く、物価上昇率が低い。この状況の中、米国は量的緩和策を維持する可能性が高く、早々に終了することはないだろう。この影響、また中国の景気が欧米より良いことから、大量の国際資金が中国に流入を続ける。その中には直接投資と短期資本が含まれ、中国金融市場は流入する資金が流出分を上回る。外貨の過度な供給により、人民元レートが上昇する」と分析した。
交通銀行金融研究センター高級研究員の鄂永健氏は、「欧州・米国・日本などはほぼゼロ金利で、極端な金融緩和策を施行している。これと比べ、中国の銀行預金金利は最も高く、景気も好転しており、国内の多くの資産の投資収益率が高くなっている。これらの要因が外資の持続的な流入を促し、人民元レートを上昇させている」と指摘した。
◆レート上昇は抑制可能な範囲内に
専門家らは、年末もしくは来年上半期まで人民元レートが上昇を続けると予想しているが、その上昇幅については異なる意見が存在する。ある専門機関の関係者は、年末までに1ドル=6元を割り込む可能性が高いと指摘した。