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「産業化」された莫言氏 文学そのものの評価が重要 (2)

 近年、文化の産業化がホットな話題となっている。いかに整った映画・テレビ産業チェーンを形成し、物語の関連商品を開発し、観光業の高い付加価値を生み出し、音楽産業を形成し、アニメの価値向上の空間を拡大するか。これは人々が苦心惨憺している問題だ。さまざまな理論による模索、さまざまな考えを反映した文章が相次いで発表されており、実践の中でも理想的な業績を記録している。しかし真の糸口を見出し、国際市場もしくは国内市場で足場を固めることは非常に困難だ。

 多くの場合、文化の産業化に対する熱意は一瞬にして去ってしまい、持続することが難しい。想像ばかりが多く、実行に移すことが不可能だ。文化商品はオリジナリティがなく、包装ばかりが過度に重視される。流行による影響を受け一気に押し寄せることが多く、独創性が欠けている。

 莫氏が「産業化」されるかはさておき、その文学的意義が最重視されるべきだ。莫氏は文学によってノーベル文学賞を授賞し、受賞前も中国国内外で文学により知名度を獲得していた。その他の、例えばイメージ、学歴、経歴、出身等には、「産業化」される価値がない。これは我々に、人々の文化産業に対する注目は、まず文化作品そのものに伴う効果に集中しがちだが、優秀な文化作品がなければ、発達した文化産業が形成されることはないことを教えている。そのため、我々はどのような目的で莫氏に注目するとしても、まずは莫氏の文学に注目し、その作品を読んで理解し、莫氏の文学価値によってその社会的含意、商業的利益を判断するべきだ。莫氏の文学を抜きにして莫氏を開発し、過大評価することは、莫氏にとって、その文学にとって不公平だ。莫氏の文学を「産業化」することが可能かという判断からも正確さが失われ、誤った道へ誘い込まれるだろう。

 文化の産業化は一時的なブームではない。作品の他に、正確な分析、知恵を発揮した企画、持続的な推進が必要だ。長年が経ってから、我々は莫氏の文学の産業価値は、やはり著作権と本の出版にあることに気づくかもしれない。つまり文学作品そのものの出版による利益であり、その他はすべて一時的に消え去るものだということだ。莫氏の前に多くの作家がノーベル文学賞を獲得しているが、彼らの経験を学ぼうとする姿勢が、産業化を考えるための基本的な態度である。(編集YF)

 「人民網日本語版」2012年11月7日

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