日本円が7カ月ぶり最安値 野党は「金融緩和」要求
日本の東京外国為替市場で19日、日本円の対米ドルレートが今年4月25日以来7カ月ぶりに最安値を更新した。これを受けて日本銀行(中央銀行)が同日開催した金融政策決定会合では、追加の金融緩和を行うかどうかが焦点となった。
慶応義塾大学総合政策学部の渡辺頼純教授は取材に応える中で、円が7カ月ぶりに最安値を更新した原因は3つあるとして、次のように述べた。1つ目は欧州債務危機に緩和の兆しがみられたこと、米国の大統領選挙が終わり、民主党と共和党が「財政の崖」を回避するために協力を進めていること、こうした要因がユーロと米ドルに健全な環境をもたらしたことだ。2つ目は日本では16日に衆議院が解散し、小規模政党が乱立する混乱状態が起きており、市場は追加の金融緩和政策が実施されるかどうかに対して疑問を持っていることだ。3つ目は自民党の安倍晋三総裁が日本銀行の独立性を弱めるとしており、政府主導の下で制限なしの金融緩和措置を実施したり、より大胆な金融政策を実施したりすることを提唱していることだ。これと2つ目の原因とが結びついて、円が下落する環境が形作られている。
日本メディアによると、日本銀行は9月と10月に相次いで行った金融緩和政策の効果を見届ける必要があり、今回の会合では追加の金融緩和はうち出さないとみられる。ある信託銀行のアナリストによると、12月の衆議院議員総選挙を控えて、市場では日銀が現在の金融政策を変更する可能性は低いとの見方が一般的だという。