北斗衛星測位システム アジア・太平洋全域をカバー
中国はこのほど独自開発した北斗衛星測位システムの16個目の測位衛星を予定軌道に投入した。これにより、同システムはアジア・太平洋地域全域をカバーするという発展目標に到達し、システムのすべての機能と指標を達成した。2020年には35個の衛星で構成される全地球衛星測位システム(COMPASS)を完成させる予定だ。「人民日報」が伝えた。
中国の衛星測位プロジェクトの建設では、テストシステム、地域システム、全地球システムの3段階に分けて発展戦略が組み立てられている。北斗システムはこのほど第2段階の目標を達成し、アジア・太平洋地域をカバーする地域システムが全面的に利用可能となった。年内には民間の利用者に向けて衛星測位サービスが提供される見込みだ。
北斗衛星測位システムの急速な発展ぶりに人々の関心が集まっている。北斗の民間市場での見通しはどうだろうか。北斗は進んだ頼れるシステムなのだろうか。応用に向けた潜在力はどこにあるのだろうか。
▽北斗の民間市場を早急に育成すべき
現在、宇宙空間には数十個の測位衛星が稼働しており、米国のものが24個、ロシアが17個、中国が16個、欧州連合(EU)が2個となっている。うち米国の全地球測位システム(GPS)は現在唯一、ナビゲーションサービス、測位サービス、時刻配信サービスを提供する独立した衛星測位システムであり、ロシアの衛星測位システム(GLONASS)はグローバル規模のサービスを提供する方向へと発展している。またEUの全地球測位システム(GALILEO)はさまざまな要因や資金面での制約を受けて、発展ペースが鈍化している。