こうした欧米の事情に比べると、中国の富裕層の国籍放棄は気楽なものだ。「中華人民共和国国籍法」第10条の規定に基づき、中国公民で以下の条件のうち1つ以上を備えた者は、中国国籍の取り消しを申請し、許可を受けることが可能だ。その条件とは、▽外国人の親族であること▽海外に定住していること▽その他の正当な理由があること、などだ。また第9条の規定によると、海外に定住する中国公民が外国の国籍を取得した場合は、自動的に中国の国籍を喪失することになる。中国で現在徴収される主な税種には「出国税」がなく、富裕層の海外での所得で中国に税金を納めるべきものについては自主申告制度を採用しており、国籍を放棄した場合の追求もそれほど厳しくない。
税制度の改善で人々が最も関心を寄せるのは利益の問題だ。構造の最適化や社会の公平性にプラスとなる税制度を構築し、低所得層の所得を増やし、所得が多すぎる場合はこれを調節し、国民が発展の成果をともに享受できるようにするのが、中国共産党第18回全国代表大会で発表された報告の重要なポイントだ。一部の欧州諸国が国籍を放棄した富裕層に対して取っている措置は、中国にも参考にする価値があるものだといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2012年11月29日
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