中央経済工作会議の展望 所得分配改革が加速か
観測筋はこのほど、所得分配改革の全体プランが今年12月に発表されると予想した。同プランが今年中に発表されるかはさておき、各方面からの予想を総合すると、所得分配改革が来年に推進を加速し、各種改革の中でも特に注目を集めると見られる。経済参考報が伝えた。
中国国家発展改革委員会が制定する所得分配改革の全体プランが、発表を間近に控えている。同プランは所得分配改革の日程表とロードマップを定めたもので、改革の短期的・中長期的目標、および重点課題と改革の手段が明記される。このうち「第1次分配」構造の調整は、将来の所得分配改革の重点となる。
中国国務院発展研究センターの研究員の呉敬璉氏は、「第1次分配体制改革は、所得格差の縮小のカギである。所得分配改革は、政府による高所得者抑制・低所得者助成というまとまりのない措置ではなく、経済・社会体制の改善を促す系統的な取り組みであるべきだ」とし、取り組み内容を次のようにまとめた。(1)知識、技術イノベーション、労働効率の向上により、粗放的な経済発展方式を改善する。(2)政府が法に基づき行政を推進し、非合理的な行政許可・行政審査を取り締まる。(3)特権・利権および伝統的な意識形態による阻害を打破し、国有経済の改革を継続する。少数の人・企業に占有されている社会資源を、独占部門の行政的な独占から解放する。企業間の平等な競争により効果的な配置を実現し、社会全体に対して富を創出する。(4)財政・税制の改善により、公共財産を低価格で提供し、公共サービスの均等化を実現する。(5)運行を維持できる社会保障システムを構築し、国民全体に対して基本的な医療・年金等の保障を提供する。(6)教育システムを改善し、向上心のある国民に対して、学習により知識と能力をつける機会を与える。
◆各種改革の推進
所得分配改革の他に、金融改革、税制改革、価格改革、行政管理体制改革等の業務もまた、2013年に継続推進される。