スマホの低価格競争 利益よりシェア拡大優先
スマート端末の値下げ競争が始まっている。中国移動(チャイナモバイル)広東公司はこのほど、画面サイズ3.5インチ、1GHzのプロセッサを搭載したカスタマイズ携帯を打ち出した。本体の小売価格はわずか299元(約4500円)。他の通信キャリア(中国電信と中国聯通)も600-700元以下の低価格スマートフォンに重点を置くことを宣言している。第一財経日報が伝えた。
中国の端末メーカー・酷派の李旺常務副総裁は「低スペックだけでなく、高スペックの端末でも低価格競争が始まっている。当社の4コア5インチ携帯は50万台売らないと利益にならないほどの低価格で、利益は最低限に抑えられている。ここ3年は携帯業界の再編の時期だ。遅れをとらないためには通信キャリアにぴったり歩調を合わせ、大衆市場に重点を置くことが最良の選択と思われる」と語る。
▽シェア拡大に狙い
端末メーカーの中興通訊、酷派は21日、中国聯通から4コア5インチの3Gスマートフォンを発売した。価格は1千元台で、同スペックで比べると他社よりも500元ほど安い。
李常務副総裁は「スマートフォン価格を1千元台に抑えるのはどのメーカーにとっても難しい。昨年上半期に4コア端末が出始めてから、携帯メーカーはチップとディスプレイの争奪戦に突入した。コスト削減は厳しい状況だ。」と語る。
李常務副総裁によると価格の値下げには2つの理由があるという。1つは通信キャリアからのスマートフォンに対する補助金政策があったため。もう1つは、廉価な端末を大量に販売して利益の可能性を広げることが国産携帯にとって現実的なやり方だからだ。何といっても、1種類の携帯電話で成功したアップルのような例はまれだ。
一方で業界関係者は「1千元台のスマートフォンを出しているメーカーのほとんどは、通信キャリアからの補助金に大きく依存しており、このやり方は長続きしない」と指摘する。中国聯通もこのほど、1千元台のスマートフォンの通話料補助金を徐々に引き下げる方針を明らかにした。このことは間違いなく、多くのメーカーに影響をもたらすだろう。