中日韓 ブラジル海洋開発設備市場に進出
造船業が低迷する中、海洋開発技術産業は、造船メーカーの重要な資金源となっており、海洋開発で最大の潜在力を持つブラジルは各国から注目を集めている。世界造船国ランキングのトップ3である中国・日本・韓国は、ブラジルという巨大な市場に熱視線を送っている。日本国内の5大造船メーカーは、共同でブラジル市場に攻勢をかけている。北京商報が伝えた。
三菱重工や三井造船などの日本造船大手5社は、技術研究組合「J-DeEP」の設立を発表した。これはブラジル沖のメガフロート(大型浮体式海洋構造物)の受注に向けた動きだ。
同じBRICsに属する中国とブラジルは、海洋開発技術産業で早期より提携を開始している。中国水運大手・中国遠洋運輸集団の傘下企業の上海中遠船務はブラジル市場で、8つの浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)の受注を獲得し、同産業の製造分野の新たな出発点に立った。韓国も負けてはおらず、ブラジル市場に積極的に進出している。
ブラジルは浅海が少なく、75%の石油が深海に埋蔵されている。ブラジルは深海開発を石油開発の重点にすることを迫られている。これは海洋開発設備の巨大な需要が存在することを意味する。そのためブラジルは近年、成長最も著しい船舶・海洋開発設備市場となっている。
ブラジルのサントス湾で昨年、世界最大の深海油田が発見された。専門家は当時、ブラジルは今後20年内に世界10大石油資源国・石油生産国の一つになると予想した。深海開発は、その主要ルートとなった。
巨大な市場の魅力を前にして、造船大国は今後の発展を楽観視している。しかし同時に、業界内には懸念も存在する。調査コンサルティング会社・中投顧問は、ブラジル市場で強い貿易保護措置がとられていることから、「中国企業の対ブラジル投資は、主に合弁会社の設立や資本参加により進めるべきだ。また政府関係者は、国家レベルからブラジルと提携合意をまとめ、ブラジル輸出の優遇策を実施し、各方面からブラジル市場を開放するべきだ」と提案した。業界関係者は、「潜在力を持つ市場に進出する場合、企業は十分な市場分析および大量の技術開発を行う必要がある。こうすることで生産能力の過剰を防止し、十分な準備により理想的な効果を得ることができる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年3月1日