ブラジルのアゼベド氏、WTO次期事務局長に
世界貿易機関(WTO)は8日、ブラジルのロベルト・アゼベド氏(55)をWTO次期事務局長に選出した。人民日報が伝えた。
アゼベド氏は長期にわたり国連の貿易・経済事務に従事してきた。関係者によると、アゼベド氏は調整能力が高く、多国間貿易紛争や体制について熟知しており、紛争の絶えない技術貿易問題にも見識が深いという。
ある中南米メディアは「2006年にメキシコのアンヘル・グリア氏がOECDの事務総長に就任したのを除いて、中南米出身者が国際組織のトップに就任するケースは少ない。今回のWTOの選択は、中南米地域が世界経済にもたらす影響力が日に日に高まっていることを示す」と分析した。
中国の駐WTO代表団もアゼベド氏の当選に祝賀の意を示し、「アゼベド氏の最優先任務は、先進国と発展途上国の隙間を埋め、今年12月に開催予定の第9回WTO閣僚会議(MC9)で、ドーハラウンドの先行合意(アーリーハーベスト)を成立させるよう各国を促し、これを基礎としてドーハラウンド交渉の全面的合意を目指すことだ。また、世界経済が低迷する今、事務局長は保護貿易主義をやめるよう各加盟国に呼びかけ、開放的かつ公正な多角的貿易体制を維持し、世界経済の回復を促していくべき」との見方を示した。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年5月10日