不動産税が試行範囲拡大? 専門家は効果を疑問視
不動産価格がコントロールと上昇をしばしば繰り返していることを受けて、不動産税をめぐるテスト事業の実施範囲拡大のニュースが注目を集めている。だが財政部(財務省)財政科学研究所の賈康所長と国務院発展研究センターの倪紅日研究員はこのほど、不動産税の範囲が拡大されても目下の高止まりする不動産価格を抑えることは難しいとの見方を示した。中国新聞網が伝えた。
賈所長と倪研究員は、28日に行われた2013年全国財税改革・イノベーション評価選出活動および経済研究所専門家委員会発足式の席でそれぞれ不動産税の問題に言及し、不動産税の徴収と不動産価格の動きには直接の関係がないという意見で期せずして一致した。
年初以来、不動産税の試行範囲拡大の情報がたびたび伝えられ、5月に公布された「2013年経済体制改革深化の重点作業についての意見」では、「個人向け住宅の不動産税改革の試行範囲を拡大する」ことが明確にうち出された。国家発展改革委員会関連部門の関係者によると、今年は具体的な動きがあるという。国家税務総局はこのほど通知を出し、個人向け住宅の不動産税改革の試行範囲拡大を検討する方針を初めて明らかにした。
実際、今年に入ってから不動産価格は引き続き上昇傾向にあり、「不動産王」がしばしば生まれ、不動産税の範囲を拡大して上昇し続ける不動産価格を抑えることを期待する声が多数を占める。だが賈所長が述べたところによると、不動産税で不動産価格が抑えられると単純に考えない方がよい。不動産税は不動産価格を一層落ち着かせはするが、中国の都市化の加速や都市化率の上昇というプロセスを変えることは不可能であり、不動産価格上昇曲線の基本的な局面を変えることも不可能だという。
賈所長の指摘によると、不動産税徴収の影響は多方面に及び、不動産市場をより落ち着かせ、穏やかにし、不動産の運営におけるバブルの可能性を引き下げ、無制限な投機行為を抑制し、空き物件を活性化させて賃貸市場に投入する上でもメリットがあるという。
倪研究員によると、不動産税の徴収と不動産価格の動きには直接の関係はなく、とりわけ短期的にはまったく関係がない。不動産税の不動産価格に対する調整作用は間接的なものであり、市場での需給関係を調節することで価格に影響を与えるだけだ。現在の市場の動きは非常に複雑であり、不動産価格抑制の効果があるかどうかは、判断が難しいという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年7月29日