香港上海銀行(HSBC)は23日、今年4月の製造業購買担当者指数(PMI)の速報値を48.3ポイント(p)と発表した。先月の48pをやや上回り、5カ月ぶりに上昇に転じたことから、製造業の活動が低水準ながらも安定し、国内需要が小幅に回復したことがわかる。
項目別にみると、国内・国外需要を含む新規受注指数の低下幅が縮小して上昇に転じた。うち新規輸出受注指数は短期間の上昇の後に再び50pを割り込み、内需はやや改善した。生産指数はやや上昇し、製造業の活動の低下幅が縮小したことがわかる。これと同時に、投入価格指数と生産価格指数は3月の低水準から回復した。調達と在庫は減少を続けたが、調達量指数はやや上昇し、サプライヤー納期指数は引き続き低下して、需要が改善したもののまだ弱いことがうかがえる。
HSBC大中華エリアの屈宏斌チーフエコノミストは次のように分析する。4月のHSBCの製造業PMI速報値をみると、製造業の活動は低水準ながら安定したが、経済全体の下ぶれ傾向は変わらず、安定成長にはまだ力が足りない。4月中旬以降、政府は安定成長の明確なシグナルを発しており、これには鉄道やバラック密集地の再開発などインフラ投資への資金面での支援を強化すること、中小企業に対する税金面での優遇を拡大すること、新エネルギーの大型プロジェクトの建設を加速すること、中国人民銀行(中央銀行)の農村金融における「預金準備率引き下げ」への支援などが含まれる。こうした一連の政策・措置の実施は安定成長にとってプラスになるが、経済の下ぶれ傾向を転換させることは難しい。今後も財政政策をよりどころとして安定成長や構造調整に力を与えることが予想され、通貨政策については、公開の市場操作といった流動性管理ツールにより、金利水準の緩やかな低下を維持して、実体経済の資金調達コストを引き下げることを提起するという。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年4月24日