習近平総書記は中央国家安全委員会の初会議で総合的国家安全保障観を打ち出した。国民の安全を趣旨、政治の安全を根本、経済の安全を基礎、軍事、文化、社会の安全を保障、国際的安全の促進を拠り所に、中国の特色ある国家安全保障の道を歩み出すというのが柱だ。新安全保障観を基礎に打ち出した大安全保障観であり、安全保障に関する4点について系統立てて答えを示した。(文:王義桅・中国人民大学国際関係学部教授、国際問題研究所所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
(1)安全保障の観念――総合的安全保障観の確立。総合的安全保障は以下を含む。国家の安全は国民の安全、政治の安全、経済の安全、軍事の安全、文化の安全、社会の安全など全方位的内容を含み、伝統的安全保障と情報の安全、生態の安全、資源の安全、核の安全など非伝統的安全保障に共に配慮し、外部の安全と共に内部の安全を重視し、対内的には発展、変革、安定を求め、平安な中国を建設し、対外的には平和、協力、ウィンウィンを求め、調和ある世界を建設し、自国の安全と他国の安全の共同安全、さらには人と自然、国家と国際の総合的安全をも含む。
(2)安全保障の道――中国の特色ある国家安全保障の道であり、西側の安全保障における拡張という古い道は歩まず、「トゥキディデスの罠」のような歴史的な安全保障上の悲劇を繰り返さず、安全保障分野で道への自信と持続可能な発展を実現する。
(3)安全保障の体制――国家安全保障委員会。集中的、統一的、効率的、権威的な国家安全保障体制を構築し、国家安全保障の取り組みに対する指導を強化する。
(4)安全保障の目標――運命共同体。一国の安全は他国の非安全を基礎に築かれるという安全保障上のゼロサム思考や対立的安全保障理念を退け、「他国が安全だからこそ自国も安全」という人類の新安全保障観を確立し、人類が共通のふるさとで苦楽をともにする安全保障の新思考を確立する。