中国自主開発の第4世代原子炉が着工
約2年間にわたり建設が中断されていた華能石島湾原子力発電所がこのほど着工した。中国東部沿海地域の山東省栄成市に位置する同原発では、中国が自主開発した世界初の第4世代原子炉が使われる予定だ。新華網が伝えた。
清華大学原子エネルギー・新技術研究院の張作義院長(高温ガス炉チーフエンジニア)は「石島湾原発の主体工事が着工した。これは、福島の原発事故を受けて中断されていた中国の原発建設が再開したことを意味する」と語る。
同原発は華能集団、清華大学、中核建設集団の共同出資で建設される。中国が知的財産権を有する初の高温ガス炉モデルプロジェクトであり、第4世代原子炉の安全性を備えるモジュール型高温ガス炉を商用化した世界初の原発でもある。総工費約40億元を投じて20万キロワットの高温ガス炉を建設し、2017年までに稼働を始める予定。
華能山東石島湾核電有限公司の張廷克董事長(取締役会長)は、「第3世代原子炉である加圧水型原子炉技術とは異なり、高温ガス炉の蒸発器は560度にまで達するため、発電効率が大幅に高まる。さらに重要なのは、高温ガス炉はどのような事故が発生しても炉心溶融や大量の放射線漏えいが発生せず、安全性が高い点だ。原子炉の余熱で炉心が融解する恐れが無く、原発の外から緊急措置を講じる必要が無い。第4世代原子炉の安全目標を達成した」と語る。