食塩の新用途、HDDの容量を6倍に
一般的な食塩に「新たな用途」はあるのだろうか。企業と個人が生み出す保存データが日増しに膨れ上がる中、既存のHDD製造技術も極限に達しようとしている。そのため科学者らは、新たな解決方法を模索する必要がある。シンガポールの科学者は、一見何の変哲もない食塩で、HDDの容量を拡大する方法を発見した。10月16日付英デイリー・テレグラフ紙の記事を引用し、科技日報が伝えた。
シンガポール科学技術研究庁、シンガポール国立大学、データストレージ研究所(DSI)の科学者が共同で、この方法を発見した。HDD製造の際に、一般的な塩化ナトリウム(食塩)を使用することで、HDDの保存密度を平方インチ当たり3.3TB(現在の保存密度の6倍)に高めることが可能だというのだ。
同研究の責任者のジョエル・ヤン氏は「製造の際に食塩を使用すると、HDD表面のビット(情報量の単位)を均等に配列できるため、より多くのビットを詰め込めることが可能だ。また食塩はビットを埋め込む電子ビームの明瞭度を高められ、電子ビームに高いコントラスト比を提供する。現在は、一般的な状況であれば非常にぼんやりとした細い線が見える」と説明した。
ヤン氏「食塩を使わない場合は、これらのビットを緊密に結びつけるため、最大限努力しなければならない。しかしこれらのビットは最終的に、不均等に散らばる可能性が高い。最新の製造方法は、2016年より商業化生産に応用される見通しだ」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年4月23日