ロボット技術国家工程研究センター副センター長の曲道奎研究員は、5月29日に開かれた第10回中米工学技術シンポジウム「新たな工業革命とスマート製造フォーラム」に出席した際に、「中国のロボット市場の成長率は近年世界一となっている。中国は昨年、ロボットの販売台数が最多の国になった。中国は2015年に、世界最大のロボット生産・販売国になる見通しで、今後10年間は、中国ロボット産業の発展および業界での応用の黄金期になるだろう」と発言した。科技日報が伝えた。
曲氏は、中国の製造業には現在、「二つの高い、二つの低い」という特徴が見られると指摘した。これは低技術力・低付加価値、高エネルギー消費、高汚染を意味する。「人口のボーナス」が失われるに伴い、労働力不足と人件費の高騰により、労働力集約型と、安価な人件費による製造モデルが、中国で持続不可能となる。こうした状況の中、ロボットを中心としたスマート製造モデルが、中国の製造業がモデルチェンジを実現するための重要な手段となっている。
曲氏は、「技術の進歩により、ロボットの速度・精度・負荷などの性能と指標が大幅に上昇した。モノのインターネットなどの技術の応用により、ロボットの柔軟性とスマート性が高まった。ゆえに技術的な面から見れば、製造業でロボットが人の代わりになることは可能である。またロボットの製造コストは、この10年間で約50%低下した。1台で3人の代わりになる溶接ロボットを例とすると、現在の販売価格は約20万元(約326万円)で、3人の溶接工の年収に相当する。ロボットのコストを、1年間で回収できるということだ」と指摘した。
この10年間の発展により、中国ロボット産業は無から有へ、小から大へと移り変わった。現在はロボットの研究開発・設計、生産・製造、技術応用、部品製造などに従事する100社以上の産業クラスターが形成されており、そのうち40数社の上場企業はロボットの概念を持つハイテク銘柄を形成している。全国各地で建築とその準備が進められているロボット産業パークは、現時点で30数カ所に達する。ロボットは、自動車製造、建設機械、医薬品、食品などの業界で幅広く活用されている。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年6月3日