米国のテスラモーターズとドイツのダイムラーは中国市場で電気自動車普及のアクセルを踏み込んだ。深刻な大気汚染への対策を重要課題とする中国政府の決意を読みとり、これまで様子見の態度を取っていた日本の自動車メーカーも中国の環境保護自動車市場に進出を開始した。日本メディアの報道として「参考消息」が伝えた。
「日本経済新聞」のサイトが今月23日に伝えたところによると、海外メーカーが続々と中国に集結していること、先進国でも環境保護車がまだ普及していないことを背景として、日本メーカーの中国での環境保護車戦略は順調に進むかどうかわからないという。
報道によれば、北京の商業施設「僑福芳草地」には高級ブランドが集まっており、中でも米国の電気自動車メーカー・テスラモーターズの専売店は非常に人気がある。2013年末に開業したばかりにもかかわらず、世界で最も利益を生み出す店舗となっている。
店内には主力のセダン型電気自動車「モデルS」が展示され、平日でも賑わいをみせる。責任者によると、「引き渡しには6カ月かかる。多いときは一日に20台の予約がある」と話す。同店で取り扱うのは73万4千元(約1194万円)のプレミアムクラスだ。関税を納める必要があるため、中国での販売価格は米国より50%前後高いが、それでも売れ行きは好調という。
同店を訪れた浙江省の企業家は興奮気味に、「みんなに自慢できる。2台買うつもりだ」と話した。販売員は、1回の充電で走行できる距離は顧客が納得できるものかとの質問に対し、「1回の充電で520キロメートル走れる。朝まで家で充電すれば十分だ」と答えた。またテスラは購入者による充電設備の設置をサポートするという。
テスラの電気自動車は米国では「セレブが乗る車」とされ、メンツを重んじる中国人の好みにぴったりだ。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が4月に中国を訪れ、中国での充電インフラ建設に数億ドル(1ドルは約101円)を投入する方針を明らかにするとともに、北京と上海で「一括営業販売」を行った。