日本を代表するキャラクター・ドラえもんは、誕生から40年たった今も、全く人気が衰えない。3連休となった5月1-3日、北京の大型のショッピングセンターでは、「ドラえもんのひみつ道具博覧会」が開催され、多くのドラえもんファンが、1、2時間並ぶことも惜しまず、押し寄せた。同博覧会は上海や海南省でも好評を博した。人民日報が報じた。
大きな顔と小太りの体が特徴のドラえもんはいつも、あどけなく、楽観的な態度と腹を探り合うようなことはしない謙虚な態度で人に接し、四次元ポケットから「ひみつの道具」を出して、子供達の夢をかなえてくれる。幾世代にも渡る子供達がドラえもんと共に成長し、タイムマシーンやどこでもドアなどは子供達の良き思い出となっている。ドラえもん関連の漫画本は世界で約2億冊発行され、作品数は2000話以上、劇場版は30作以上となっている。
日本には無数のキャラクターがあるが、なぜドラえもんの人気は突出し、長続きするのだろう?その答えは、ドラえもんの「性格」にある。ドラえもんには親しみやすく、想像力や包容力に富み、友達には義理がたいなどの特徴がある。これらは、どんな時代の人にも受ける人格だ。
それに対して、かつては人気だったが、今ではほとんど取り上げられることがなくなったキャラクターも少なくない。例えば、ドラえもんより約20年早く登場した「鉄腕アトム」は、日本のテレビアニメの「元祖」とも呼ばれ、原子力をエネルギー源とした10万馬力のパワーで、敢然と悪に立ち向かっていく姿が、世界中で人気となった。しかし、今では、「強い力を武器に戦う」というのは魅力的な要素ではなくなってしまった。また、東日本大震災の際に、福島県で原子力発電所事故が発生し、日本国内では「鉄腕アトム」への批判的な意見さえ相次いだ。
ドラえもんの平和で愛らしいイメージは、戦後の日本のイメージ構築に大きな役割を果たし、日本のソフトパワーの実力を示しているとさえ言えるだろう。ドラえもんは世界で人気となり、国際社会が期待する日本の平和なイメージにも応えている。現在、右翼的言動で日本のイメージを壊している政治家達と比べるなら、ドラえもんのイメージのほうがはるかにいい。日本が国際社会からの信用を取り戻したいなら、ドラえもんの「経験」から学び、正確な歴史観を選択して、友好的で真摯な態度を促進しなければならない。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年5月22日