互いを必要としていることは、中国と欧州の関係を密接にする役割を果たす。イデオロギーが異なり発展モデルも異なる中国と欧州では、立場や観点を一致させるのが難しい問題がいくつかある。だが実務的な協力による相互への依存は、双方が理解を深め、意見の食い違いを解消する土台となる。
第二に、中国と欧州は政治的に互いを信頼し、重視している。中国とEUは国際社会における重要なプレイヤーである。対欧関係は中国の外交プランにとって重要な位置を占めている。習主席は、中国の国家元首として初めてEU本部を訪れた。また李総理の訪問によって、EUのリーダー格である英国・フランス・ドイツの3カ国のすべてを中国の新指導部が訪れたこととなる。
ただEU側から見ると、中国と欧州の関係発展を妨げるいくつかの要素が見られる。貿易摩擦が頻発している。EUは米国と政策面での協調を進め、「環大西洋貿易投資パートナーシップ」(TTIP)の交渉を進めているが、中国と欧州の自由貿易圏の交渉の進みは遅々としている。日本は首脳の訪問や「2プラス2」の協議体制構築などを通じて、中日間の問題について立場を取るよう欧州側に迫っている。だが実際には、中国とEUの太陽光パネル問題は昨年和解が実現し、G7首脳会議で中国を名指しで非難しようとした日本の試みは失敗した。EUと欧州諸国は、対中関係重視を土台として、関係を損なうことをできるだけ回避しようとしている。
最後に、中国と欧州は文化的に互いを参考にしている。中国と欧州諸国では国情や体制、発展段階が異なるが、それぞれ長所があり、相手への見方は平等であるべきだ。中国首脳は、思想と文化の交流を重視しており、訪問中には、中国の基本的な観念と発展理念を説明し、中国に対する欧州の理解を促進している。習主席は、中国を「眠りから覚めた平和な獅子」と表現し、欧州で幅広い共感を呼んだ。李総理の欧州訪問でも、中国の進む平和的な発展の道についてさらなる説明が行われる。中国と欧州は「和して同ぜず」の関係発展を求めている。
中国と欧州との全面的戦略パートナーシップ構築からすでに10年が経過した。これからの10年では、経済的な依存と政治的な信頼・重視、文化的な参照が、双方の関係の全方位的で立体的な発展の枠組みとなるだろう。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年6月18日