外観は白いクジラのようで、「腹」に電気ケーブルを巻き、1000メートルの高空を飛行する。今年の珠海航空ショーの現場で、来場者は空に浮かぶ白い気球のようなものを目にするだろう。これは中国が独自に開発した最新のエアロスタット(軽航空機)で、飛行機やヘリに続く空の新型機だ。新華網が伝えた。
このエアロスタットは中国電子科技集団によって開発された。今年展示されるエアロスタットは全長32メートル、容量1600立方メートルで、「腹」にヘリウムガスを詰めている。1000メートルの高空で15日間連続で「微動だにしない」ことが可能で、10級(風速24.5-28.4m/s)の台風や雷・暴風にも耐えられる。このエアロスタットには、「天眼」という威力抜群の名前がある。同機は可視光センサーを搭載し、24時間連続で空から地上の動きや重要なターゲットをを360度監視する。地上のマッチ箱のような小さな物も手に取るように見ることができ、民間防衛システムの固定指揮所や移動指揮車とマイクロ波・衛星通信でつながり、データ・画像・音声情報の伝送と共有を実現できる。同機は汎用プラットフォームとして、赤外線センサー、通信設備、煙霧観測設備、測量・製図設備などを搭載でき、幅広い用途を持つ。
中国電子科技集団エアロスタット首席科学者の徐忠新氏は、「同じ積載能力の無人機やヘリと比べ、この摩訶不思議な気球の滞空時間は最長15日に、大型の係留気球の場合は30日以上に達する。同機は初めて珠海航空ショーで公開されるが、これは中国がエアロスタットの構造・材料・制御・情報収集・通信方法に関する技術を全面的に把握したことを示し、国内のエアロスタットによる高画質監視の空白を埋めた」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年11月6日