中国では、年末になると転職する人が増えるのが恒例となっている。今年の転職の主力は、今年就職した「90後」と呼ばれる90年代生まれの若者だ。大手就職情報サイト・智聯招聘が最近発表した「2014年秋季ホワイトカラー転職指数調査研究報告」によると、今年就職した「90後」の半数以上が転職を考えている。中国新聞網が報じた。
「90後」が転職の主力グループに
同報告によると、働く「90後」がますます増える一方、企業や仕事に対する忠誠度は右肩下がりとなっている。調査では、働く「90後」のうち、55.4%が転職を考えていた(就職、辞職の手続き中、履歴書を準備中、およびこれらの意向がある人を含む)。一方、80年代生まれのグループは、47.3%となっている。
では、就職したばかりの「90後」達は、なぜ早くも転職を考えているのだろう?
転職の理由は「将来性」と「給料」
同報告によると、今年の秋に転職したホワイトカラーの理由のうち、最も多かったのが「職業に将来性がない」で約56%。「給料が安い」が2位だった。就職したばかりの若者が転職する理由でも、この2つが多かった。
同結果について、中国社会科学院人口・労働経済研究所の研究員・程傑氏は、「将来性を求める背後にも、給料に対する高い要求がある。いつでも、給料は一番始めに考える、最も重要な要素」と分析している。
これまでに大学を卒業した「90後」を対象にした就職状況などの調査に参加した、北京大学市場・メディア研究センターのシニア研究員・李夏氏は、「現状に満足していないから転職する。同世代の若者はもっと良い環境を求めているということ。転職の過程で、自分の方向性を定めている。これはいいこと」との見方を示す。