スイスに本拠を置く世界的な金融集団UBSがこのほど発表した「世界スーパー富豪報告2014」によると、中国香港地区にはスーパーレベルの富豪(純資産3千万ドル以上、1ドルは約117.9円)が3335人おり、平均資産は前年より7%増加して1億7800万ドルに達した。産業をみると、スーパー富豪の10%が不動産業界に身を置いており、この割合は他の国・地域を上回った。投資の対象範囲が拡大したため、親から財産を受け継いだ「富豪二世」は新興の投資チャンスを試したい意欲をもっており、特に海外での科学技術、医療、健康、食品などの企業の直接買収への意欲が高いという。香港紙の「星島日報」が伝えた。
▽富豪の約半分が「親のおかげ」
香港は女性スーパー富豪の割合が世界トップだ。同報告によると、香港ではスーパー富豪4人のうち1人以上が女性だが、世界では女性の割合は13%にとどまっている。香港の女性スーパー富豪は合わせて900億ドル近い資産をもつが、平均純資産額は男性スーパー富豪の半分に過ぎない。
注目すべきは、女性スーパー富豪の半分以上は親の財産を相続した人ということだ。香港のスーパー富豪の資産は複数の世代にまたがっており、約45%の人の資産は相続したもの、半数以上の人の資産は自分の手で獲得したもの、となっている。香港紙「大公報」は、「成功は親のおかげ。香港にはこれから両親の財産を引き継いで豊かになったというスーパー富豪がたくさん登場する」と報じた。
▽資産の増加には理由がある
盧彩雲さんによると、新世代の富豪は一般的に投資に臨む態度が開放的で、海外市場への投資に関心をもち、特に海外での不動産購入に意欲をもっていることなどから、富豪の人数が急速に増加しているのだという。UBS資産管理部門アジア・太平洋エリアの浦永灝首席投資総監は、「『滬港通』(上海・香港両証券取引所間の株式の相互取り引き)やオフショア人民元取り扱い業務などが金融業界にチャンスをもたらし、他の伝統的な産業よりもスーパー富豪を生み出すチャンスが多くなった」と分析する。
また浦首席投資総監は、「未来の香港が高度成長を遂げるスーパー富豪のエリアをもち続けたいと願うなら、不動産業界だけに頼っていてはだめで、他の付加価値の高い産業が必要だ。たとえばデザイン産業、金融産業、医療産業などだ」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年11月25日