日本の安倍晋三首相は17日、訪問先のエジプトで、中東地域に25億ドルの新たな支援を行うと表明した。安倍首相は今回エジプト、ヨルダン、イスラエル、パレスチナを訪問した。エジプト訪問は7年半ぶりだ。環球時報が伝えた。
共同通信社の17日付報道によると、安倍首相は同日カイロで両国政府および企業関係者を前に演説し、中東のインフラ整備などに25億ドルの新たな支援を行うと表明。「日本政府は”国際協調という積極的平和主義の旗を高く掲げ、すでに2年で22億ドルの支援という約束を実行に移した」と述べた。また「中東地域全体を対象に人道支援、インフラ整備など非軍事分野で新たな支援を行う」と強調した。
日本経済新聞の18日付記事によると、安倍首相の外遊には日本企業30社余りの幹部が同行。エジプトのシシ大統領はスエズ運河周辺の開発やエネルギー協力への日本企業の参加に期待を表明した。
「安倍首相のエジプト訪問は、雪中に炭を送る意味合いが強い」。毎日新聞は「エジプトは動乱と政権交代を経たばかりだし、欧米諸国は人権問題でエジプトに対して批判的だ。だが安倍首相はシシ大統領との会談で人権問題には言及せず、経済支援のみを語った」と指摘した。安倍首相がエジプトを中東外交の重点としたのは、「人権や民主化問題よりも地域の安定を優先する」方針を示しており、非常に実務的なやり方だと分析される。
九州大学のある教授の分析によると、安倍首相が再び中東を訪問したのは、第一に中東の戦略的地位が重要であるうえ、重要なエネルギー産出地でもあり、日本経済にとって極めて重要だからだ。また、フランスの「シャルリ・エブド」へのテロ行為は、中東の過激なテロ勢力が関係していると考えられている。安倍首相はこの時期に中東を訪問することで「積極的平和主義」を宣伝し、外交ポイントを稼ぐことができる。安倍首相は「積極的平和主義」への中東の支持を取りつけるとともに、日本企業発展のための機会を創出することも急いで必要としている。人権や民主化問題を避ける安倍首相の「柔軟外交」は欧米各国の外交方針とは明らかな違いがあり、最終的にはうまく立ち回ろうとしてかえって失敗する可能性がある。加えて中東情勢は複雑であり、日本企業の中東での発展にも大きな安全上のリスクがある。したがって安倍首相の中東訪問は「外交パフォーマンス」の側面が大きい。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年1月22日