南中国海問題をめぐり、最近米国は中国に対する雑音を少なからず発している。米国の特定の組織は脅し文句を吐くだけでなく、無鉄砲な行動に出ている。米軍はまず軍用機を派遣して中国の島や礁に対して接近偵察を行っており、さらに中国の島や礁の12カイリ以内の海域に軍艦を進入させることを検討すると公然と言い放った。(文:沈丁立・復旦大学国際問題研究院副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
唯一の超大国である米国が世界に対する主導的地位の長期間の維持を望んでいることは、多くの戦略表明においてとうに明確に示されている。だが目標をどのように達成するのかについては、安定促進を通じて地域の平和を実現することによって米国の主導力を強化するのか、それとも焦って火中の栗を拾うのか、米国は現在理性的思考を欠いている。
米国の最近の南中国海政策は、その主導思想の困惑を十分に示している。
米側は、中国が歴史的に形成した南中国海の島や礁に対する領有権、中国側が20世紀中葉に明確にした領有権主張に対しては、一概に知らない振りをする。歴史的事実はこうだ。中国側が南中国海の島や礁に対する領有権を明確に宣言すると、かつて南中国海周辺の他の国々はこれを公に受け入れるか、間接的に認めるか、または黙認するかした。だがその後、少数の国が政策を変え、一部の島や礁を不法に獲得した。約束を破棄して一方的に現状を変更するこうした行為に対して、米国は選択的に目をつぶった。米国は2002年以降の「現状」の維持を要求しているのであり、これは本質的に南中国海の一部の島や礁に対する中国の主権を永久に失わせるものだ。
米国はまた、中国による南中国海の一部の島や礁の拡張を最近非常に重視して、軍用機・軍艦を接近させているだけでなく、速やかな中止を中国に命じている。南中国海問題における米国の偏りと横暴が、この地域に波風が立っている根本的原因だ。