10年にわたる準備と14回に及ぶ交渉を経て、「中華人民共和国政府と大韓民国政府の自由貿易協定」(中韓FTA)が今月1日、韓国の首都ソウルで調印された。調印は両国の協力プロセスの中で一里塚の意味をもつ重要な出来事の一つだ。FTAに基づき、過渡期の後には、両国の商品貿易の90%以上が「ゼロ関税時代」を迎えることになる。
▽特徴 両国の国際市場における地位向上にプラス
商務部(商務省)の高虎城部長は同日に行われた調印式で、「中韓FTAは中国がこれまで対外的に調印した中で議題のカバー範囲が最も広く、国別の貿易額が最も大きい自由貿易協定だ」と述べた。また韓国の産業通商資源省の尹相直長官は、「FTAを通じて、韓国と中国の経済関係が一層密接なものになり、双方の経済協力を拡大し、国際市場における両国の地位を向上させる上でプラスになる」と述べた。
中国がこれまでに調印したFTAに比べ、今回の中韓FTAにはどのような目立った特徴があるだろうか。商務部の王受文副部長は取材に答える中で次のように説明した。
1つ目の特徴はレベルの高さだ。中国は世界一の貿易国であり、韓国の貿易規模は世界7位だ。中韓両国の2014年の貿易額は3千億ドル(約37兆4070億円)に迫り、アジア太平洋経済協力(APEC)加盟国の貿易規模の29%を占める。中韓FTAが調印されれば、両国の商品貿易の90%以上について過渡期後にゼロ関税が実現されることになる。
2つ目の特徴は全面的であることだ。中韓FTAの協定の範囲は17分野に及ぶ。貨物貿易のほか、電子商取引、競争政策、政府調達、知的財産権保護、環境保護などの内容をカバーする。
3つ目の特徴は利益の均衡だ。貨物貿易では、中国の税金関連の手続きの91%、輸入額の85%、および韓国の税金関連手続きの92%、輸入額の91%で自由化が実現する。サービスと投資の分野では、双方はギブアンドテイクの関係になり、利益の均衡が実現する。