富士通など日本の携帯端末メーカーはこのほど、独自の基本ソフト(OS)を搭載した従来型の携帯電話(いわゆる「ガラケー」)の生産を2017年以降中止することを決めた。今後開発する全端末のOSは、米グーグル社のアンドロイドに統一する。スマートフォンが広く普及していることから、日本だけの特殊な「ガラケー」の研究開発費の負担が、各メーカーにとって重荷となっていた。人民日報が報じた。
日本の各メディアは、今回の決定について、「日本のガラケー開発時代が集団で幕を閉じる」と評している。携帯電話の生産も、日本の製造業における創造力低下の縮図のひとつとなった。
日本テレコムは1999年、移動端末によるインターネット接続サービス「iモード」を世界に先駆け打ち出した。日本は一時期、モバイルネットワーク発展の主要指標において、世界を5年から8年リードしていた。だが、その後10年も経たないうちにスマホ時代が到来、敗者に転じることを余儀なくされた。日本ブランドの携帯電話は世界売上トップ3からはじき出されただけではなく、スマホの普及でも遅れを取った。総務省の「情報通信白書」によると、2014年3月の時点で、日本におけるスマホの個人所有率は53.3%にとどまり、韓国の90%を大幅に下回った。
一橋大学の鷲田祐一准教授は、著書「イノベーションの誤解」において、「1980年代後半以降、日本の製造業は、IC、ソフトウェア、インターネット、モバイル・ネットワークの国際規格争いに置いて、『四連敗』を喫した」と書いている。
〇イノベーションに向け尽力するも市場からドロップアウト
1980年代以降、コストダウンの必要性に迫られた日本企業は、続々と生産拠点を海外にシフト、研究開発センターだけを日本に残した。これにより、日本は技術開発と市場開拓の面でドロップアウトする結果となった。鷲田氏はこのような現象を「ユーザー不在のイノベーション」と称した。
学術界は、「ガラパゴス・シンドローム」と名付け、日本のイノベーションの失敗を評した。太平洋上の群島「ガラパゴス」に生息する生物は、陸から隔離されているため、独自の進化を遂げ、外来種の襲撃に対する抵抗力が低い。革新的な「孤島」現象は、「匠の技」の職人精神に対する崇拝に支えられていた。職人精神はたゆまぬ向上と、自己超越を追い求めてきたが、あまりにも内部に向かう形で発展を続けたため、保守傾向が高じ、進取の精神がなくなった。