最近開催された上海国際モーターショーで、中国の民間大手自動車メーカー吉利汽車の親会社・吉利控股集団の李書福・董事長(会長)が、フラッグシップモデル「吉利博瑞」の特別限定版の鍵を6人に手渡した。うち、吉利車のファンで、2012年に吉利汽車のプラグインハイブリッド車「GPEC―EC8」を購入したというMs. Rosarjo Portellウルグアイ駐中国大使が注目を集めている。吉利博瑞は外交指定車でもあり、約1カ月前に、外交人員服務局に20台納車された。
吉利博瑞をデザインしたのは、スウェーデンの高級車・ボルボの元デザイン担当責任者、ピーター・ホーベリー氏。吉利汽車は、吉利博瑞のクオリティに高いこだわりを持っていることがわかる。
英国でタクシーを製造してきたManganese Bronze Holdings Plcやオーストラリアのオートマチック・トランスミッションのメーカーで ある Drivetrain Systems International (DSI)を買収した後、吉利汽車は2009年、ボルボも買収した。李董事長は、「合弁会社を作ったり、提携をしたりするだけでは、海外企業側は、本当の技術を教えてくれない。ボルボを買収したことで、当社は、イノベーション能力の向上を手伝ってくれる能力と意欲のある技術者を手にした」と、その成果を強調している。
11年、吉利とボルボは、「対話・協力委員会」を立ち上げ、その後、車内の空気の質や車両の安全技術、環境にやさしい排気技術などを譲渡することで合意に達した。さらに、両社が200億元(4000億円)を投じ、Cセグメントに応用されるCMAプラットホームの開発を共同で実施し、2016年からボルボと吉利のブランドの全ての新型車に搭載される計画だ。
このように、クオリティの向上を追求していることが功を奏し、吉利車は人気となっている。例えば、今年に入り、中国国内の自動車販売台数は減少しているものの、吉利車は売上を伸ばしている。4月、吉利の販売台数は前年同月比45%増の3万8648台となった。また、1—4月期も、販売台数が前年同期比約44%増の18万643台だった。
5月、吉利が3億3千万ドル(約412億5千万円)を投じた新工場の建設が、ベラルーシで始まった。17年から生産ができる計画で、生産能力は12万台。一期の年間生産量は6万台を目指す。また、ボルボは、米サウスカロライナ州に新工場を建設することを発表している。同工場の生産能力は年間10万台。2018年に生産が始まる計画だ。李董事長は、「ボルボの支持とサポートがあるおかげで、当社は国際化を安定させ、その足を速めることができる」と語っている。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年6月2日