国防部(国防省)の公式サイトによると、中国空軍の申進科報道官は広州で30日、同軍の航空兵が初めて西太平洋上での遠海訓練を行ったことを明らかにした。空軍部隊の遠海における機動性と作戦能力の向上が目的としている。環球時報が伝えた。
報道官によると、中国空軍機は30日、バシー海峡から西太平洋に出て遠洋訓練を行った。空軍部隊は所定の訓練目的を達成し、首尾よく任務を果たした後、当日中に基地に戻った。申報道官は「遠洋訓練の実施は空軍部隊の作戦能力を向上させるのに効果的で、世界の主要国では同様の訓練が一般的に行われている。同訓練は年度計画の通常のスケジュールに沿って行われたものであり、中国の国防・軍隊建設にとって必要」と述べた。
中国空軍問題の専門家・徐勇凌氏は30日、取材に対し、「今回の訓練は、空軍が伝統的な意味合いでの『国土防空』から『空天一体(空と宇宙の一体化)、攻防兼備』へと移行しつつあることを意味する」と指摘した。
徐氏は「これまでの空軍訓練では、国土防空を常態化し、年間を通じて訓練やパトロールのほとんどが国土上空で行われていたが、現在の空軍は、『空天一体、攻防兼備』戦略を実施している。つまり、訓練の範囲が近海・遠海を含む公海に広がるということ。公海上空での飛行訓練は、より実戦に近いという特徴があり、絶えず警戒を続ける必要がある。他の航空機の対応によっては、中国軍は接近や追い返しといった措置を講じなければならない。こうした状況の中、操縦士は準臨戦態勢で訓練に挑むことになり、操縦士および作戦指揮部が実戦に近い心理状態の中、訓練を行うことになる」と述べた。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年3月31日