韓国観光公社は、今年の国慶節の連休期間、韓国を訪れる中国人観光客は前年同期比30%前後増加し、約21万人に達すると予想している。中国人観光客の韓国旅行の主な目的はショッピングだ。韓国の化粧品メーカーは相次いで、中国人向けの「中国語メニュー」を作成した。免税店のスタッフによれば、観光客はメニューの購入したい商品にチェックを入れ、数を記入するだけで、レストランで注文するように化粧品を注文できる。このほか、結婚を控えたカップルも韓国に殺到している。主に、結納用のジュエリーや腕時計、高級スーツなどハイエンド商品の購入が目的だ。
韓国の各店舗は中国人観光客の好みに合わせ、各種の割引サービスを打ち出している。しかし、ある韓国メディアは「ショッピング目当ての旅行ばかりでは、リピーターを獲得できない。韓国は、中国人がもう一度訪れたいと感じるような新鮮な魅力を発掘する必要がある」と指摘する。
韓国紙・中央日報は評論の中で、「中国人観光客は韓国でのショッピングに忙しく、観光する時間がない。観光ツアーは実質、ショッピングツアーとなっている。韓国の旅行会社はコストを下回る価格で観光プランを打ち出し、ツアー客に買い物をさせ、店からリベートを受け取って赤字を補っている」と指摘した。
ある専門家は「泥祭りやヤマメ祭りなど、韓国人に人気のレクリエーションが『祭り』に変化した成功例もある。しかし、観光業はショッピングによるリベートを必要としているため、こうしたプログラムは中国人観光客のツアーには組み込まれていない」と指摘する。
ソウルの観光市場研究者は取材に対し、「韓国の観光市場は対外開放されてからまだ数年しか経っていない。大量の外国人観光客、特に中国人観光客に対し、韓国はまだ本当の意味で準備ができていない、あるいは考える暇もない状態だ。今こそ、韓国にはショッピング以外にどんな魅力があるのかを考えるべき時だ」と語った。
ある韓国人ガイドは「多くの観光ツアーがショッピングばかりなのはもったいない。ショッピング以外にも、韓国には風景や民俗、文化など、観光客に知られていない微力がたくさんある。『ディープな旅』を選ぶ観光客が増えることを期待する」と述べた。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年9月28日