気象科学者は長年に渡り、空に硫酸塩の雲を作ることで太陽光を反射・散乱させ、地球の気温を下げることができるかと議論してきた。このプロジェクトは火山噴火の冷却効果を真似るものだが、物議を醸しており、実際に試験が行われたことはない。米ハーバード大学の研究者は、ダイヤモンドもしくは酸化アルミニウムのナノ粒子を使い、この「日照管理」を試みる方が効果的であり、環境への影響も硫酸塩より少なくて済むと判断した。科技日報が伝えた。
酸化アルミニウムとダイヤモンドの粉塵は、オゾン層への影響が少なく、成層圏の温度はそれほど上昇しない。地球表面の散光も、それほど増えることはない。また等重率の酸化アルミニウムの粉塵は、硫酸塩の雲の冷却効果に匹敵する。さらにダイヤモンドの粉塵の効果は5割以上も上回る。
しかし科学者は、酸化アルミニウムやダイヤモンドの粉塵には、未知のリスクが存在すると警鐘を鳴らした。火山の研究により、人々は硫酸塩への理解を深めている。ところが上述した粉塵の化学性質、例えば表面の触媒の化学反応については理解が浅い。ハーバード大学の研究チームは現在、実験室内の実験でこの不足を補っている。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年10月28日