中国電気機械製品輸出入商会が29日に明らかにしたところによると、米国企業が中国の輸出する洗濯機にダンピング行為があったとして提訴していた案件はすでに調査プロセスに入り、アメリカ国際貿易委員会(USITC)がこのほどダンピング調査を発動したという。「経済参考報」が伝えた。
米国現地時間の今月16日、米国の家電大手ワールプールはUSITCと商務省に申請を提出し、中国から米国に輸出された洗濯機と部品に対するダンピング調査を発動するよう求めた。対象製品は洗濯槽の最大直径が24.5インチ(62.23センチメートル)から32インチ(81.28センチメートル)の大型家庭用洗濯機だ。
現在、中国から米国に輸出する対象製品のほぼ8割はサムスンとLGを代表とする韓国メーカーが生産したもので、国産ブランドで生産を手がけているところはごく少数でシェアも小さい。だが業界関係者は、「調査対象となった大容量の洗濯機は業界の未来のモデル転換やバージョンアップの方向性を代表するもので、ダンピング税が課されれば長期にわたることになる。米国調査機関がクロの決定を下して課税措置を取れば、中国洗濯機産業のバージョンアップ後の市場を封殺することになる」との懸念を相次いで表明する。
家電産業関係者は、「このたび調査対象となった洗濯機は、直流モーターを直接駆動するドラム式の大容量洗濯機で、中国市場にはまだ出回っていないタイプの製品だ。洗濯機は特色ある家電製品であり、消費者の暮らす地域によってそれぞれに好みがある。中国市場の人気製品は二槽式から全自動式に変わり、さらにドラム式に変わり、大容量タイプは一昨年登場したばかりだ。米国市場では調査対象となったような大容量の洗濯機が一般的に好まれる」と説明する。
業界の分析によると、今回の案件が中国家電メーカーに与える影響は主に2つ考えられる。1つ目は韓国企業への影響だ。韓国企業の代表的存在であるサムスンとLGは現在、中国に多額の投資を行っている。サムスンは中国で11万人を雇用し、その多くが蘇州、天津、恵州、西安などの工業パークで働いている。米国がダンピング税を課せば、韓国企業の中国での発展に影響を与えるだけでなく、産業チェーンの川上と川下にいる中国企業にも影響を及ぼし、中国の雇用と輸出にマイナス影響を与える可能性もある。