19日、2015年度の江蘇省ユースサッカーエリートプログラムのトレーニングキャンプが開かれ、揚州、宿遷、鎮江、塩城、連雲港、泰州の男女計9チームの200人余りのユース選手がトレーニングに参加した。揚州晩報が伝えた。
今回のトレーニングは江蘇サッカー選抜の予備人材の育成が目的で、現在江蘇サッカーユースプロジェクトの責任者である日本人ヘッドコーチの金子隆之氏も揚州へやってきた。金子氏はかつて日本ユース代表チームのヘッドコーチだった際、取材に対し中日サッカーのユース育成における最大の違いはサッカーの理念にあると語っている。
中日サッカーのユース育成における違いは理念にあると語る日本人ヘッドコーチ
金子隆之氏はJFAナショナルトレセンコーチ、JFA公認S級コーチライセンスをもち、日本で各年代のユース代表チームの指導経験がある。日本サッカー協会の推薦でユース育成の経験豊富な金子氏は中国の江蘇省に来て、江蘇省ユース育成プロジェクトの責任者となっている。
かつて日本と中国のサッカーレベルにはほとんど差はなかったが、過去20年で日本のサッカーは目覚ましい進歩を遂げる一方で中国のサッカーは大きく取り残されてしまった。その日本の成功の陰には優れたユース育成システムがある。
中日のユース育成システムの違いについての質問に、金子氏は直接答えないかわりに「日本では、子どもたちは好きでサッカーをやっているので、子供たちはみんなサッカーが大好きで、楽しんでプレーしている。だが、中国の子どもたちのグラウンドでのプレーを見ると、彼女たちが楽しんでいるようには見えない」と語った。金子氏は何をするにも楽しむことが最も大切だとし「日本サッカー協会は毎年多くのイベントを企画しているが、これらのイベントは子供たちにサッカーをさせるためではなく、サッカーをしたくなるようにするため。しかし中国の場合、ほとんどの子供たちはサッカーをさせられているように見える」とした。
金子氏は、事実これこそが中国と日本のユース育成における最大の違いだと話す。そして「中国サッカーの問題は体制やシステムにあるのではなく、思想、つまりはサッカー理念に問題がある。中国のプレイヤーのほとんどが小さい頃から正しいサッカー理念を学んでいないと言えるだろう」と語った。