中国は世界高速鉄道市場における日本との戦いで「一歩先んじ」、インドネシアからの受注を獲得した。日本のNHKの18日付「米への新幹線輸出 官民ファンド数十億円出資へ」と題する報道によると、日本がJR東海の新幹線システム導入を目指して進めている米国テキサス州の高速鉄道計画は、2021年開業の予定という。だが「環球時報」によれば、テキサス高速鉄道プロジェクトが順調に進むかは未知数で、着工に先立つ資金調達、用地取得、現地の人々の懸念解消など、さまざまな困難が横たわるという。「環球時報」が伝えた。
日本紙「日本経済新聞」の報道によると、テキサス側は最高時速300~320キロメートルの車両を走らせ、ダラス-ヒューストン間を約400キロメートルで結ぶ青写真を描いている。米国側のプロジェクト担当者は民間会社のテキサス・セントラル・パートナーズ(TCP)。双方は現在、プロジェクト資金集めの詳細について話し合っており、着工前に経費の半分以上にあたる約2億ドル(1ドルは約122.8円)を確保したいとしている。
米国NBCの報道によると、TCPは民間会社で政府のバックアップはない。高速鉄道プロジェクトは17年の着工、21年の開業を目指し、テキサス州の州都ダラスと同州最大の都市ヒューストンを結ぶ陸上交通路の所要時間がこれまでの3時間から1時間半に短縮されることになる。日本の新幹線の主力車両を改良した「N700‐Ⅰ Bullet」が導入される見込みという。
だがこのプロジェクトにはなお多くの不確定要因が横たわる。米連邦政府やテキサス州政府からの資金はなく、建設は100%民間資金によって進められる。総額4億ドルにも上る建設資金を集められるかどうかが、米国側の直面する最大の問題だ。環境や騒音への懸念から、同プロジェクトに反対の声を上げる民間団体もある。
また高速鉄道の建設に必要な用地の取得も重要な課題だ。TCPのティム・キーズ最高経営責任者(CEO)は取材に答える中で、「目下最大の任務は、建設予定地の住民を説得して土地の売却に応じるようすることだ」と述べた。