春節(旧正月、今年は2月8日)を目前に控えているのを機に、オーストラリア郵便公社は2月3日、慣例に従い申年の記念切手と記念硬貨を発行する。記念切手は、1組2シートで、額面は1オーストラリアドルと3オーストラリアドル。従来の切手と小型シート、初日カバー、記念封筒のセット以外に、金と銀2種類の材質で、額面4種類の申年記念硬貨も発行する。新華網が報じた。
毎年春節の時期に、オーストラリア郵便公社は、同国で唯一春節を法定の休日にしているクリスマス島の名義で干支をテーマにした記念切手を発行している。
今年の記念切手をデザインしたのは、メルボルンの中国系グラフィックデザイナー潘徳妮さん。香港で生まれ育ったため、子供のころから中国伝統文化の影響を受け、中国の伝統や伝説に対する思いを記念切手に込めた。「記念切手をデザインする時、中国最古の切り紙細工をベースにして、中国の歴史ある伝統文化を表現した」と潘さん。切手を見ると、猿を意味する漢字「猴」が大きく描かれ、漢字の左側が遠くを見る猿になっている。そして、カラフルな色と金色で繁栄と財産を表している。
潘さんによると、1オーストラリアドルの記念切手には猿のデザインが採用されているのに対し、3オーストラリアドルの記念切手は「猴」の字だけで、中国の「猴」という漢字は、高位高官を意味する「侯」と同じ発音であることも踏まえ、一歩ずつ出世するという思いを込めた。
潘さんによると、記念切手の小型シートでは、中国人なら誰でも知っている孫悟空を紹介。申年生まれの人は、機知に富み、才能に優れていることを表現している。
中国大陸部からの新移民が増加し続けているオーストラリアの華人社会では、春節が重要な祝日となっている。「オーストラリア郵便公社は毎年、春節を祝うことに力を入れている。大きな華人コミュニティにとっても、記念切手の発行は重要な意義がある。中国の伝統文化がオーストラリアにおける影響力を反映しているほかに、オーストラリアの多元化社会が、異なる文化に対して寛容な態度を示していることも反映している」と潘さん。
「人民網日本語版」2016年1月29日