2月の輸出の減少幅は予想よりも大きく、金融危機以降で最大の単月の下げ幅を記録した。HSBC中華圏の屈宏斌チーフエコノミストは、「比較の対象となる昨年の数字が高かったことだけでなく、外需の持続的不振も輸出低迷の主な原因だ」との見方を示す。
屈チーフエコノミストによると、「過去2カ月間のデータをみると、輸出は同17.9%減少し、減少幅は昨年末よりも大きかった。主要市場への輸出は明らかに軒並み減少しており、ASEAN諸国への輸出が最も大幅に減少した。輸入減少幅は前月よりやや縮小したものの、これは主に大口商品価格が安定したためで、内需の不振も続いている」という。
申万宏源証券のアナリストチームは、「2月に輸出増加率の低下幅が目立って拡大した主な原因は、春節(旧正月、今年は2月8日)の連休が企業の受注の執行に影響を与えたこと、人民元レートの安定が偽装貿易の規模を縮小させたことなどだ」といい、輸入増加率の低下幅の縮小については、「商品価格の安定が主な原因」としている。
2月の貿易黒字は2095億元で、同43.3%減少した。商務部(商務省)関連当局の責任者は、「中国の外貨準備が4カ月連続で低下したことを背景として、黒字の減少は外貨準備に圧力をかけることになるので、しっかりみていなくてはならない」と注意を促す。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年3月9日