5月3日は、日本の戦争指導者(A級戦犯)を裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判)の開廷から70年目の記念日にあたる。上海交通大学出版社と国家図書館出版社の共同出版による「極東国際軍事裁判記録・中国部(全12巻)」が、上海でこのほど刊行された。東京裁判関係資料のうち、中国に関する裁判の審理内容が中国語で出版されるのはこれが初となる。人民日報海外版が伝えた。
東京裁判のうち中国に関する審理は、計120日間に及び、残された記録は約1万400ページ、翻訳された中国語は300万字。審理の内容や順序にもとづき、東北部侵攻に関する検察側の弁論、中国全面侵攻に関する検察側の弁論、毒物取引、東北部侵攻に関する弁護側の弁論(上・下)、中国全面侵攻に関する弁護側の弁論(上・下)、南京大虐殺に関する検察側・弁護側の弁論、被告個人に関する弁護側の弁論(上・下)、検察側・弁護側双方による最終弁論、東京裁判判決文の12巻で構成されている。
「極東国際軍事裁判所憲章」では、審理の使用言語は英語、被告側の使用言語は日本語と定められている。このため、「極東国際軍事裁判記録」は、英語版と日本語版があった。今回編集・出版された「極東国際軍事裁判記録・中国部」は、2012年に始まった英語版と日本語版の両方を用いた「ダブル翻訳・校正」作業を通じて完成した。
「極東国際軍事裁判記録・中国部(全12巻)」は、中国語で表記された東京裁判の真実の記録であり、各種戦争による犯罪が露呈され、中国の読者や研究者が閲読・調査する上で極めて有益な資料となっている。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年5月3日