日本の鳩山由紀夫元首相と丁剛氏
海外特派員を20数年勤め、50あまりの国を訪れたが、いまだ日本に行ったことが無かった。今回、環球網と中国公共外交協会が主催するイベントに参加して、日本のメディア関係者と交流することになった。(文:丁剛。人民日報社上級記者。環球網掲載)
訪日経験のある友人が「日本に行ったことのない人は日本の悪口ばかり。日本に行ったことのある人は日本を褒めてばかり」と話すのを聞いたことがあったが、ちょうど日本へ行く前日に、日本旅行から戻ったばかりの親戚が私に会いに来た。50過ぎの親戚は会うなり「多分私が生きているうちに中国が日本に追いつくのを見ることはできないだろう」と言うと、数々の日本人の礼儀正しさに関するエピソードを数え上げ、日本で購入したトイレの消臭剤、電気炊飯器、空気清浄器などについて一つ一つ語ってくれた。
親戚の見聞は私がネット上で見た多くの中国人が語る日本旅行の経験とおよそ似通っていた。人によって細かい点は異なるものの、主な内容は同じなのだ。これらの日本人がいかに礼儀正しく、日本製の商品がいかに細やかであるかというストーリーは、中国人が心に描く日本の主要な部分となりつつある。それらが最終的に中国人の日本全体のイメージを変えることになるだろうか?現時点では何とも言えないが、日本政府が中国人向けの観光ビザの緩和を決定したのは、経済的な要素ばかりを考慮したわけではないという一点は確信できる。
中国と日本は動かざる隣国であり、中国の日本への認識は今に始まったことではない。日本は中国が開国して最初に接触した「外国」であり、現在も中国市場の重要な地位を占めている日本企業は全て最も早い時期に中国に進出した外国企業だ。しかし、多くの同胞と共にパスポートを手に入国検査を通った時、突然中国人の日本への認識は始まったばかりだという感覚に襲われた。