「極東国際軍事裁判証拠文献集成」の日本語版(全50巻)と中国語版の「索引、附録」(全3巻)がこのほど、上海交通大学出版社と中国国家図書館出版社から出版された。今から69年前の1946年5月3日から48年11月12日にかけて、米国や中国、英国、ソ連など11カ国から、それぞれ判事と検事が任命され、東京で開催された極東国際軍事裁判(通称:東京裁判)において、証拠として提出された資料が、初めて世界に公開される。人民日報海外版が報じた。
同裁判では、連合国が「戦争犯罪人」として指定した日本の指導者などを裁いた。そして、東アジアの戦場における最大の被害国である中国で行われた、残虐な「南京大虐殺」の動かぬ証拠も提出され、今回初めてそれが日の目を見ることになる。
上海交通大学出版社の韓建民社長によると、同裁判において検事や弁護士が提出し、採用された証拠など、重要文献を収めたこの「証拠文献集成」は約3万ページに及ぶ。当時採用された証拠を網羅的に収めた証拠集成で、一部を除き主に日本語で記されている。その証拠の多くは、赤十字会やその会員団体の報告書、関連の個人の報告、各事件に触れる個人の日記、手紙、その他の個人ファイルなど、日本政府が処分しきれずに、米国の手に渡った秘密ファイルだ。
同文献集には、▽極東国際軍事裁判がまとめた基本資料、一般段階、日本の戦争の準備▽中国関連の問題、中日戦争関連の重要な歴史的事件▽日独伊三国同盟の画策と協力▽日本のソ連に対する侵略▽日本のフランス領インドシナ、オランダ領東インド、フィリピン、マレーシア、タイ、ミャンマーなどに対する侵略▽日本の戦争法規違反と戦争暴行---の6部分からなっている。
同文献集は収録数が多いため、その査閲の利便性を高めるツールとして、上海交通大学東京裁判研究センターの程兆奇センター長が「索引、附録」をまとめた。
同文献集は、2013年に出版された「極東国際軍事裁判審議記録」に続く、東京裁判関連の重要な大型文献となった。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年5月6日