安永睿さん
○「希少」専攻:2008年の創設から現在まで、古生物学卒業生は6代にわたり「1人」
薛さんと同様、今年卒業する安さんも堂々たる「古生物ファン」だ。小さい頃から、地理や化石について学ぶことが大好きで、楽しくて疲れることはなかったという。
この専攻に進む学生はどうして少ないのだろうか?古生物学が学部のひとつの専攻として設立された初期に入学した薛さんは、「この学問に対する知識がほとんどなかったことと関係がある」と話す。「北京大学に専攻があるといっても、誰もが古生物専攻について知っているとは限らない。多くの学友は、古生物は考古学と大して違わないという認識を持っている。卒業後も高所得に結びつく訳ではなく、女性博士や女性秀才になっても、恋愛や結婚が遠ざかるだけ」と彼女は続けた。
「皆は、経済や経済など、就業チャンスがより大きい専攻を好む傾向にある」と話す劉楽さんも、古生物学を専攻した卒業生だ。彼は、「古生物学は、暑い夏、野外に化石採集に行かなければならないため、かなりきつそうに見えることも、専攻学生が少ない原因の一つだろう」と指摘した。
実のところ、北京大学古生物学専攻は、創設された2008年から現在に至るまで、卒業生は毎年ただ一人で、すでに6代にわたり「卒業生一人」の状態が続いている。今年卒業する安さんは、「私が卒業すると、古生物専攻の現役学生は、今の1年生ただ一人となり、2年生と3年生はゼロだ」と話した。