作者:高磊 西北師範大学
大学の寮にまつわるもろもろは、学生生活で決して軽視できない問題だ。中国大学メディア連盟はこのほど、全国134大学に通う大学生446人を対象に、ルームメイトとの関係についての無作為アンケート調査を実施した。調査によると、「ルームメイトともめたことはない」と答えた学生は22.42%、「ルームメイトと仲たがいしたことがある」は77.58%にそれぞれ達した。仲たがいした経験があると答えた人のうち、「しょっちゅう対立している」人は3.14%、さらには「部屋を引っ越そうと考えたことがある」人は7.40%だった。中青在線が伝えた。
●個人的見解の違いから起こる対立 背後に「心理的な不適応」
中国心理学会会員で国家二級心理カウンセラーの蔡燕蘇氏は、「これまでのカウンセリング経験から分かったことは、ルームメイトともめる原因はまさに多種多様であること。そのうち最も大きい原因は、当事者の学生の個人的見解の違いによるもので、例えば、学習時間と休息時間、価値観、生活、文化、出身地域、さらには友情に対する期待度にも差がある」と話した。
中国大学メディア連盟の調査結果によると、ルームメイトとの対立を最も引き起こしやすい原因となるのは、「他の人の休息に悪影響を及ぼす(67.04%)」「悪しき生活習慣がある(54.71%)」「話しかたが冷たい(57.85%)」などの同室者の行為だった。「あまりにも利己的」「人柄に問題がある」ルームメイトも、同室者にとって共通の敵となりがちだった。
だが、蔡燕蘇氏は、「道徳的判断だけで当事者の一方を批判することは、合理的とはいえない」と指摘、以下のような見解を示した。
「大学でのカウンセリングを通じて、『利己的』『自己チュー』だと他人から批判される学生をたくさん見てきた。彼らは、自分自身の人間関係に問題があることに気付いていないわけではなかった。彼らはそもそも、人間関係における圧力に耐えきれなくなったため、私を訪ねてきた。これらの学生は、心理学的な意味において『不適応』という問題を抱えている。当事者はおそらく、他人の気持ちを理解する能力に欠けている、あるいは、もめごとを上手に処理する方法が分からないのだろう」