国際原油価格は最近、持続的な値上がり傾向を示すが、業界の専門家は、原油の累計上昇額はすでに大きく、これが投機的な動きに促された上昇であることは明らかで、将来適切な価格に戻る際のリスクは大きいとの見方を示す。
5月に入ると、投機ファンドが興味深い動きをみせた。2週間連続で大規模にファンドを売却したかと思うと、今後は市場に大量の資金を流し込んだ。米国商品先物取引委員会が発表した最新のデータによれば、5月17日の週までに、投機ファンドの未決済取引の純増加量は36万9千件に上り、約21カ月ぶりに記録を更新して、前週より26.3%も増加した。ここから原油市場に流れる投機ムードの濃厚さを感じることができる。
石油製品情報サイトの東方油気網の石油製品部門の程瑞鋒マネージャーは、「国際原油価格は上昇傾向を維持するが、幾重にも重なった悪材料に直面してもいる。これから米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き上げる可能性が高いとみられること、原油の供給過剰局面が改善されていないこと、大口商品が全面的に低迷していることなどがある。今後、国際原油価格の低下に際してのリスクが拡大を続け、短期的には1バレル55ドル(約6005円)を割り込むことは難しい」と話す。
専門家の分析によると、国際原油価格は1バレル約20ドル(約2184円)から反転上昇して現在の高値に至り、需給の基本的側面に本質的な改善はみられないという。
米国の原油生産量は2014年9月以降の最低を更新したが、その他の産油国の生産量は高い水準を維持している。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年5月24日