劉振民外交副部長(外務次官)はこのほど、ニューズウィークやシカゴ・トリビューンなど米メディアの代表団と会見した際、仲裁裁判の結果への中国側の対応について質問に答えた。外交部(外務省)ウェブサイトが伝えた。
■南中国海をめぐる中比の争いは交渉と協議で解決
「南中国海仲裁裁判」と国際海洋法裁判所の管轄権に関する英紙ガーディアンの質問に、劉副部長は「『南中国海仲裁裁判所』は国際裁判所または常設の仲裁裁判所ではなく、国連海洋法裁判所の柳井俊二前裁判長が指名した5人の仲裁員によって構成される臨時の仲裁裁判所だ。フィリピンは2013年1月22日に申し立てた仲裁について、具体的な争いを解決するためではなく、国連海洋法条約の解釈と適用の問題について仲裁裁判所の裁定を仰ぐものだと表明した。中国側は仲裁裁判に対して受け入れず、参加しない立場であるため、仲裁裁判所が聴取したのはフィリピン側のみの言い分だ」と指摘。
「中比間の一連の二国間文書は南中国海をめぐる争いを交渉と協議によって解決することについてすでに合意しているうえ、2002年には他のASEAN諸国と共に『南中国海における関係国の行動宣言』(DOC)に調印した。DOC第4条は、南中国海をめぐる争いは直接の当事国の交渉と協議によって平和的に解決するべきだと明確に定めている。海洋境界画定問題に関しては、中国政府はすでに2006年に国連海洋法条約第298条に基づき、これを条約の定める強制紛争解決手続きから除外するとの声明を出した」と述べた。
また「中国はいわゆる『裁決』を受け入れず、参加せず、ましてや認めることはない。中国は南中国海をめぐるフィリピンとの争いを確固不動として交渉と協議によって解決する。フィリピンの次期政権が仲裁裁判問題において新たな考えにいたることを希望する」と表明した。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年5月25日