長征5号ロケットが今年下半期、初めて打ち上げられる。中国で高さが最高、体積が最大、積載量が最大の同ロケットは、常に人々から注目されている。人民日報が伝えた。
中国航天科技集団傘下の中国運載火箭(キャリアロケット)技術研究院を取材したところ、長征5号は20階建ての高さで、その筒部分の直径は5メートルあった。これはまさに中国で高さが最高、体積が最大のロケットだ。専門家によると、長征5号の近地球軌道における積載量は25トンに達し、現役ロケットの2.5倍以上にのぼり、中国で最大の積載量を誇るロケットとなっている。
長征5号の離陸重量は約878トン、近地球軌道での積載量は25トン、静止トランスファ軌道は14トン。化学燃料を使用している現在の通常ロケットと異なり、長征5号は無毒・無汚染の液体水素・液体酸素を推進剤とする。重さ800トン以上の体の90%は、マイナス252度の液体水素とマイナス183度の液体酸素で、低温の極限に近い。そのため専門家は、「氷のロケット」と分かりやすく形容している。
大型ロケットには当然ながら、大推力が不可欠だ。中国の現役ロケットのエンジン1基当たりの最大推力は70トンほどで、明らかに不十分だ。研究者の15年に渡る取り組みにより、新たに開発された推力120トン級の液体酸素・ケロシンエンジン8基が、4つのブースターに取り付けられた。また新たに開発された液体水素・液体酸素エンジン4基が、ロケットの1段目・2段目に2基ずつ取り付けられた。長征5号の離陸時の推力は1060トンに達し、主に液体酸素・ケロシンエンジン8基から得られる。
120トン級液体酸素・ケロシンエンジンは、どれほど大きな力を持つのだろうか?専門家は、「120トンの液体酸素・ケロシンエンジンから生まれる気圧は最大500気圧に達するが、これは上海・黄浦江の水を標高5000メートルのチベット高原に打ち上げるようなものだ」と例えて説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年6月20日