「過去長い間、製鉄所は不安定な状態にあり、従業員らは将来を非常に懸念していた。製鉄所が欧米の製鉄会社に買収された場合も安心できない。こうした企業は効益が良くない時には簡単かつ乱暴に人員を削減するからだ。一方、中国企業はそうせず、われわれ従業員の権益を心から考えてくれる」。セルビア・スメデレボ製鉄所で33年間働く電力エンジニアのDalibor Ignoatovi氏はこう語った。
スメデレボ製鉄所は1913年に設立された、セルビア唯一の鉄鋼生産企業だ。だが国際鋼材市場の競争激化、管理上の問題などにより近年苦境に陥り、生産量が急激に減り、倒産の危機に直面していた。今年4月、中国河鋼集団が4600万ユーロでスメデレボ製鉄所を買収したことで、閑散としていた生産ラインは再び活発化した。
スメデレボ製鉄所
河鋼集団駐セルビア総代表の宋嗣海氏は「われわれは買収合意で、買収後、1人の従業員も解雇せず、現地に適した管理を実施することを約束した。同時に、われわれは5年間に3億ドルを投じて、技術の改造とアップグレードに用い、生産効率を高めるだけでなく、環境保護面の指標も達成する計画だ」と述べた。
セルビア鉄鋼協会のSlobodanka Susa会長は「スメデレボ製鉄所が生産を継続できることは、セルビアの経済発展にとって非常に重要だ」と指摘。製鉄所のCEOであるPeter Kamaras氏は「われわれは河鋼集団を気に入っているだけでなく、中国経済の急速な発展を気に入っている。中国と協力できることで、われわれは必ずや欧州で最も競争力を備えた鉄鋼企業になることができる」と述べた。
セルビアの記者Jasminka Simeunovi氏は「『16プラス1』協力体制と『一帯一路』(1ベルト、1ロード)イニシアティブに後押しされる形で、セルビアに発展の資金とチャンスをもたらし、セルビアさらには欧州全体の経済発展を促す中国企業が増えている」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年6月17日