先日行われた第23回北京国際図書博覧会において、英国のパルグレイブ・マクミラン社が上海交通大学出版社出版の「東京裁判体験記」の英語版を翻訳出版する件に関し、両社が合意し契約を締結した。人民日報が伝えた。
「東京裁判体験記」は「極東国際軍事裁判」と「東京裁判日記」の二部から構成されており、前者は極東国際軍事裁判の全てを体験した唯一の中国人裁判官である梅汝■さん(■は王へんに傲のつくり)が記録した同軍事裁判に関する最も詳細で貴重な記録だ。また後者には、梅裁判官が東京を訪れ裁判が開廷されてからの数日間の感想や思い、祖国に対する心情が綿々と綴られており、読む者に感慨を覚えさせずにはいられない。
梅裁判官の息子で「東京裁判体験記」を編纂した梅小■さん(■は王へんに傲のつくり)は、「東京裁判体験記」が出版されることによって、東京裁判の詳細な研究が進んでいくに違いないと考えている。また父である梅裁判官の残した名言を引用し、「私は復讐主義者ではない。日本帝国主義の血の負債を日本国民に背負わせる気はない。しかし私は、過去の苦難を忘れることは、未来の災いを招くことになると考えている」と語った。彼は「東京裁判体験記」が多くの読者、特に若者や学生たちに受け入れられることで、歴史を明らかにし、民族の苦難がしっかりと人々の記憶に刻まれることを願っている。
国家新聞出版ラジオ映画テレビ総局・管理司の周慧琳司長は、「極東国際軍事裁判の文献を系統立てて研究し、整理、出版することは重要な歴史的意義を持つだけでなく、深い現実的意義もある。今回、上海交通大学出版社出版の『東京裁判体験記』英語版著作権輸出の成功は、世界の人々が極東国際軍事裁判を理解するのに良いきっかけとなり、国際学術界における東京裁判の詳細な研究を進める上で重要な意義を持つだろう。海外の読者は同書を通じて広い観点から歴史を認識し、それにより歴史を心に刻み、平和を大切に思うことで、第二次世界大戦における勝利と戦後の秩序を維持する努力を共に行って欲しい」と語った。(編集YK)
「人民網日本語版」2016年8月29日
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