2本目のシャンパンは、真由子の親友・百合の家で開けたルイ・ロデレール。真由子のプレゼントだ。直巳は、開封に手間取る百合から瓶を取り、少し傾けて、テーブルまで歩きながら、静かに開封する。すると百合が不満だったようで、「景気よくパーンと開けなさいよ」と言うと、直巳は「お祝い以外は音を出さないのがフランス式なんだよ。派手な音を出すのは、ダサいアメリカの成金が始めたこと」と鼻で笑う。まだ少年の直巳がなぜこんなに博学なのだろう?もちろん真由子が教えたのだ。このドラマの中では、真由子と百合が腹の探り合いをし、さまざまな目論見がお酒の中に込められている。
二人の女性の最後のバトルで、真由子はヴーヴ・クリコを開ける。海辺の部屋には温かい雰囲気が漂い、最高のムードだ。実はヴーヴ・クリコには、女性の男性に対する強い思いがこもっている。1799年にフランソワ・クリコと結婚して嫁入りしたクリコ夫人。フランソワ・クリコは4年後に他界してしまい、クリコ夫人は三代目としてクリコ家のシャンパン事業を支え、直訳すると「クリコ未亡人」の意味という名の「ヴーヴ・クリコ」が生まれた。一方の百合も薄暗い、オシャレな部屋で、夫と高級ステーキを食べながらワインを飲む。瓶やラベルから、フランスのブルゴーニュワインであることが分かる。ここでも、勝ち負けがはっきりと分かれている。
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn