日本3位の鉄鋼メーカーの神戸製鋼所はこのほど、銅製品やアルミ製品の検査データを改ざんし、合格品として顧客に供給していたことを認めた。トヨタ自動車や三菱重工など約200社が影響を受けるとみられる。データ改ざんには管理職も含め、少なくとも数十人が関わっており、組織的かつ長期的に行われていたことがわかる。日本の世論はこのニュースに騒然とし、ここ数年間に日本の有名企業のスキャンダルが相次いだため、「メードインジャパン」への信頼が失われつつあるとの見方が出ている。
▽影響は極めて大きく、大規模なリコールの可能性もあり
川上の工業原材料サプライヤーである神戸製鋼所のデータ改ざんは、産業チェーン全体に極めて大きな影響を与える。日本紙「日本経済新聞」の報道によると、神戸製鋼所のデータ改ざんスキャンダルの影響は航空機や自動車の製造など多くの産業に及ぶ可能性があるという。
トヨタによると、同社は神戸製鋼所が製造した問題の製品を、日本国内の工場で組み立てる一部車種のエンジンカバーとバックドアに使用している。目下、問題製品を使用した車両と予想される影響の確認作業を進めており、この結果に基づいて今後の対策を決定するという。
三菱重工は、同社が開発中の日本初の国産ジェット旅客機「MRJ」に問題の製品を使用しているという。MRJの胴体と翼の接合部分および窓枠に神戸製鋼所の製品が使用されている。航空会社の業績は燃料価格の変動の影響を大きく受けるため、燃費のよい航空機があれば、業績の好不調に直接影響する。神戸製鋼所のアルミ部品と東レの炭素繊維を使用し、機体部品の重量を軽減できたことは、これまでは日本の原材料メーカーのもつ優位性だった。
JR東海が運行する新幹線の一部にも、神戸製鋼所の問題の製品が使用されている。共同通信社によると、データ改ざん問題の影響は自動車メーカーから新幹線、宇宙航空などの分野へと広がりをみせる。自動車の安全性に関わる重要部品に強度不足などの問題があることが確認されれば、データ改ざんスキャンダルはさらに拡大して大規模なリコールに発展する可能性があるという。
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