2016年8月12日  
 

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日本の醤油からみえる革新 中国人青年が見学

人民網日本語版 2016年08月12日08:46

北京師範大学の趙茂莎さんは、「まさか自分が醤油で感動するなんて思いもしなかった」と話す。化学合成された醤油が当たり前の今日、350年の歴史をもつ醤油企業が今なお発酵に6カ月かける昔ながらの製法を守っていることが不思議でならなかったという。「このような匠の精神を自分の周囲で見つけることは確かに難しい」と感じたという。「中国青年報」が伝えた。(文:王亭亭・中国科学院大学研究生)

キッコーマンは日本最大の醤油メーカーで、1917年に株式会社化された。本社は千葉県野田市にあり、醤油、調味料、みりん、ワインなどが主な製品だ。グループの年間売上高は4083億円に上り、日本の醤油市場シェアは30%を超え、米国では50%を上回る。

今年7月、中国人の大学生のグループがキッコーマンを訪れ、日本の醤油の歴史と製造過程を学び、堀切功章代表取締役社長や若い社員たちと交流した。また学生はスーパーで市民の生活を直接体験し、台所で日本式の「定食」を作り、調味料企業と市民との直接のふれあいを肌で理解した。

堀切社長は企業の長続きの秘訣として「企業市民」の概念を挙げる。キッコーマンの製造工場と販売ネットワークは世界中に広がるが、どこでもその地域社会の理念を尊重し、そこに根を張る方針を貫く。現地社会にメリットをもたらすことができなければ、企業は長続きしない、という考え方だ。キッコーマンの創業者一族8家の継承者たちが若くして受ける教育は、今流行りのウィンウィンを目指すものではなく、買い手、売り手、社会の3者がともに利益を得ることを目指すものだという。

清華大学の劉弼城さんは次のようなことに気付いた。現地にメリットをもたらすため、キッコーマンは千葉県で商業銀行を設立し、野田市には総合病院を建て、消防隊を発足させたこともある。野田市の本社には塀がなく、製造過程のすべてを見学することができる。建物の床は雨水を通すよう精巧に設計されており、浄化すれば災害発生時に被災地に送り、被災者に役立ててもらうことが可能だ。社員の名刺は回収された醤油カスを再利用して作られている。健康な食生活の普及を目指し、51年前から減塩醤油の研究開発と普及活動を行っている。キッコーマン国際食文化研究センターを設立し、醤油文化と世界の食文化を紹介している、など枚挙に暇がない。


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